新選組と最強子供剣士
‥‥‥‥よし、こいつを使うか。


「それにしても、今日はいい天気だね」


「あ?お、おお、そうだな」


「こーんなにいい天気なのに、新選組の皆は忙しそうなんだよ。ちょっとは休めばいいのにって僕思うんだ」


「それは坊主にはわからんさ」


「なんで?休みも大事って、僕教わったもん」


「そんな天気のいい日、毎日休んでみろ。働かなきゃ、金は溜まらねーんだぞ?」


「あ、そっか」


さて、こいつと話すのはここまでにしよう。


この鍛冶屋に、めぼしいモノはないようだし。


「でもね、皆仕事のし過ぎかな?最近ね、副長さんとか元気がないんだ」


「そうなのか?」


「そうなの!目のしたに真っ黒で、いつ倒れるか‥‥‥局長さんも、溜め息多いし。隙だらけなんだよ?」


ま、土方さんは気を引き締めすぎなんだけど。


そのせいで疲れてるようなものだし。


「そうか‥‥‥新選組も、大変なんだな」


仲代さんがシミジミと頷きながら言った。


「そういう坊主はどうなんだ?」


「え?」


「どこか具合が悪いとかねぇのか?」


具合は悪くはない、かなぁ。


「最近、腕が鈍ったような気がするんだよね」


「は?」


「ちょっと‥‥‥ね。これのせい‥‥‥かな」


顔を伏せて、小太刀を力強く握りしめる。


‥‥‥話は、これで充分か。


それにしても斎藤さん、いつまで話し込んでるんだろ?
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