新選組と最強子供剣士
「なんか、目の敵?みたいなのにされたんだよね。その子と喧嘩ばっかしててさ、皆から怖がられてたの」


あの悪餓鬼、誰だっけなぁ。


ま、今の僕も悪餓鬼なんだけど。


「今は?」


「今?今は‥‥‥友達作る気もないかな。新選組にいるし」


お梅さんが驚いて僕を見る。


おっと、今のは8歳児らしくなかったかな。


いかんいかん。


よし、話をそらそう。


「お梅さんは?」


「え?」


「芹沢さん、好きなんでしょう?」


ニッコリと笑顔でお梅さんに詰め寄る。


すると、お梅さんの顔は見る見る真っ赤になった。


わお、まさにリンゴ。


恋か‥‥‥‥分からん。


僕、今一応16だし、青春真っ盛りのはずなんだけど。


わからんもんはわからん。


恋?なにそれ美味しいの?


この言葉が合ってるよ。


16だけど、今は子供の姿だし。


青春時代は、僕にはもう無理だ。


グッバイ、青春時代よ。


「‥‥‥剣、ちゃん?」


「ごめん。ちょっと意味不明なこと考えちゃってた‥‥‥」


「?」


お梅さんはまた首を傾げる。


‥‥‥‥ほんと、綺麗な人だよなぁ。
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