新選組と最強子供剣士
「わからない。でも、きっと芹沢さんを殺した人を憎むでしょうね」


「お梅さんが?」


「女は怖いのよ。それこそ、私みたいな気の強い女はね」


お梅さんは、僕にとったら危険だ。


新選組を良い方にも悪い方にも傾けてしまう力があるかもしれない。


人気者で、人脈も広いだろう。


だから、だからこそ‥‥‥‥


「剣ちゃんには、何でも見透かされそうだわ」


「え?」


「ずっと先を見ていて、何でも見えていそう」


「そんなことないよ」


「そう?初めて会った時とは、別人みたいな顔してるわよ」


お梅さんは小さく微笑む。


芹沢さんはこの時代に来て、この人と出会って何に魅せられたんだろう?


「‥‥‥ごめんなさい」


「え?どうしたの?」


つい、謝罪の言葉が出た。


だって、僕はこの人の未来を奪う。


この人を生かすこともできるのに、それを僕はしない。


「剣ちゃん?」


「大袈裟なことなんてしなくていいと思うよ」


「?」


「芹沢さんのそばに、お梅さんがそばにいるだけで、きっと芹沢さんは救われる」


「‥‥‥‥そう、思う?」


「うん」


僕は何もしなくてもいい。


この人の未来は、もう決まっているのだから。
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