新選組と最強子供剣士
僕が関わったくらいじゃあ、きっとこの人の未来は変わらない。


「あら、もう夕方だわ」


「あ、本当だ」


「帰りましょうか」


「‥‥‥うん!」


お梅さんと手を繋いで、屯所に戻る。


「剣ちゃん」


「?」


「ありがとう」


お梅さんは微笑んで、僕に言った。


その優しい微笑みに、心に小さな痛みを僕は覚えた。





*********************





屯所に戻り、僕は土方さんの部屋に向かう。


「剣壱?」


後ろから名前を呼ばれて振り向くと、七郎と主計、十郎の3人がいた。


そういえば、3人一緒にいるのは初めて見たかも。


「3人?なんか珍しいね!」


「そうか?丁度稽古帰りなんだ。剣壱はどっかに行ってたのか?」


「七郎には内緒」


「はぁ!?なんで?」


「何となく。あ、でも、十郎と主計には教えるよ!」


「え‥‥‥」


ガーンと落ち込む七郎。


それに十郎が笑った。


「おま、楠!何笑ってんだよ!」


「いやだって‥‥‥クククッ」
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