新選組と最強子供剣士

作戦決行まで‥‥‥


9月15日 深夜 午前0時


僕は新選組の屋根の上に座っていた。


明日だからなぁ。


寝てなんていられない。


「隊長、お呼びでしょうか?」


ふわりと蝶が舞うがごとく。


美しい動作で、立が屋根に着地した。


髪は高い位置で団子ポニーテール。


ミニ丈で袖丈の長い美しい黒の着物をまとっている。


島原にいたとき、自分で作ったらしい。


立と一緒に叶もいる。


叶が僕のところにきてすり寄ってくる。


そんな叶を撫でながら僕は言った。


「ティユル、新見錦が切腹した際にいた者を答えろ」


「‥‥‥土方歳三 山南敬助 沖田総司
斎藤一 原田佐ノ助 以上の5人かと」


「それ以外で今回の仕事、知っているのは?」


「恐らく、近藤勇だと。山崎丞 井上源三郎は五分五分といったところですわ」


「永倉新八 藤堂平助は?」
 

「2‥‥‥いえ、3割といったところだと」


ま、この2人は嘘が下手くそだしな。


それ以前に、新八さんは絶対に協力しないだろう。


「‥‥‥多分、4人だろう」


「?」


「暗殺する人数だ。恐らくだが、初めにお前が挙げた5人の内の4人」


「土方歳三ら、ですわね。しかし、八木邸の広さを考えれば、3人ではないんですの?」


「ティユル、抵抗する敵、それは芹沢鴨だ。実際、明日死ぬのは芹沢鴨だけではないだろうがな。

腐っても裏切ったとしても、元仲間だ。それをあいつらが容易に斬れると思うか?」


「‥‥‥そういえば、ここはそういう場所でしたわね。すみません」


「別にいいさ。立は普通の世界にいた時間が短いんだから」
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