新選組と最強子供剣士
だが、情報提供とは不公平なものだと芹沢は思っていたりする。


なぜなら‥‥‥‥


「芹沢さん、芹沢さんが大事だと思う情報まず教えて」


「っ」


小細工はするな。


全て吐け。


剣壱の目はそう言っているような気がした。


情報提供者は苦労する。


全て話したのに、まだ何かあるんじゃないかと詰め寄ってこられる時がある。


(まぁ、新選組は拷問なんかで1番それをしているんだが)


何を話すか。


それを芹沢は考えた。


「ふむ‥‥‥小僧、長州藩士のことはどのくらいまで知っている?」


「長州藩?幕府に反対し逆らっている勇気ある集団!‥‥‥なんちって☆」


「‥‥‥‥」
  

「ちょっ、無言で返さないでよ。さすがに恥ずかしいじゃん」


「ならふざけるな」


「え、僕、嘘は言ってないよ」


その発言に、芹沢は目を思わず見開いた。


「ほぉ?長州藩が勇気ある集団?」


「だって、未来でいう国会に喧嘩売ってるんだよ?それに、かなり大きな集団まで育ってると思う。強い人もそれなりに多いらしいしね」


「らしい、か?」


「全員を知ってるわけじゃない。今、僕が知ってるのは‥‥‥‥幕府と

幕府に反対する長州藩
ここの上がいる幕府に組する会津藩
会津藩と同じく幕府に組する薩摩藩
後一応、土佐藩

くらいかな。後はなーんにも知らない」


笑顔でニコニコと、まるで子供が親に話すように。


さっきまでの恐怖心を感じさせた微笑みとは似ても似つかない表情で子供は言った。


「小僧、幕府は国会ほど大きくはないと思うとわしは思うぞ」


「あ、そうなの?その辺は僕、まだ成人してないからわかんないや」
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