新選組と最強子供剣士
「そんなことはしない。芹沢さん、お前は自らが描いたシナリオ通りに死ぬんだから」


芹沢の考えるシナリオ。


それは、もう決して描き直せない。


「後悔はない。わし1人の命くらい、この新選組では安いものだ」


「すごい謙遜だなぁ」


「そう言ってくれるか」


「局長の命が軽いなんて、そんなわけはないと思うよ?」


本気で言っているかわからない。


だからたちが悪い。


芹沢は目を細め、睨むようにして剣壱を見つめた。


「ふむ、よかろう。情報をやる」


「よっしゃ!」


ガッツポーズをして喜ぶ子供。


演技だろうが、本物にしか見えない。


「本当に、末恐ろしいものだ」


「は?」


「いや、こちらの話。そうだな、わしが注目している長州藩の者は、高杉晋作と桂小五郎だな」


「高杉晋作 桂小五郎‥‥‥あれ?どっかで聞いたことあるような‥‥‥」


「学校で習うわい」


「え、あ、学校か」


なんとなくそう呟いた子供。


だが、それに芹沢は疑問を覚えた。


(納得しただと?まだ8歳の小僧が?)


だがそれは、どうでもいいと芹沢の中で無理やり納得する。


「いや~学校なんて久々に聞いたよ」


「行っておったのか?」


「まぁね。義務として行ってたよ」


「お主、意外に真面目なのか?」


「失礼だな~僕はいつでも本気さ」
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