新選組と最強子供剣士
するとあちこちが痛んだ。


「ぃっ」


「起き上がっては駄目だ。横にならないと」


僕を労り、横にさせようと促す島田さん。


僕の身体に触れようとした時、僕は島田さんを睨みつけた。


「っ、剣壱君?」


「島田さん、ごめんなさい。ちょっと、酷い夢を見て、さ。気分が、よく無いんだ」


「あ、ああ。うなされていた。大丈夫か?」


「大丈夫。少し、疲れてる、だけだから」


我ながら情けない状態だと思った。


夢どこきで、こんなに不安定になるなんて。


「今、朝?」


「いや。今はお昼だ。そろそろ、皆が飯を食べに行くんじゃないかな?」


12時前と言ったところか。


この部屋は、屯所の治療部屋。


立がいない。


多分、出ているんだろう。


「傷は浅くはないんだ。北凪君に、安静にしているよう見張ってくれと頼まれている」


なるほど、島田さんは立の差しがねか。


立のやつ、また面倒なことを‥‥‥‥


これじゃあ動けない。


「今は引いているが、熱も出していたんだぞ」


自分のデコに手を当てる。


37℃以上、38℃以下ってとこか。


ガリガリガリ


ふと、部屋の襖を何かで引っ掻いているような音がした。


「なんだ?」


「島田さん、叶だよ。開けてやって」
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