新選組と最強子供剣士
僕がそう言うと、襖を島田さんが開けに行く。


「おわっ!」


開けた瞬間、黒い影が島田さんの足下を通って僕のところまでやってきた。


「にゃ~」


「叶、ただいま」


「ゴロゴロ」


撫でてやると、喉を鳴らして喜ぶ叶。


可愛いな~


癒やしだ。


「あ、島田さん、叶にご飯あげた?」


「朝に北凪君が上げていた。叶君への昼用のご飯も用意して、出かけていったんだ」


「そう、立が‥‥‥」


そろそろ、ご飯の時間だよなぁ。


‥‥‥島田さんがいなければ、すぐにでも自分で動くんだけど。

     
邪魔だな、こいつ。


「島田さん、僕、お腹空いてきゃった」


少し照れたような素振りを見せて言う。


「あはは、そうか。では、俺と叶君と共に飯にしよう」


「ありがとう!あ、でも、ご飯‥‥‥」


「俺が持ってくるさ。少し待っていてくれ」


「島田さん、ごめんなさい」


僕の言葉を最後に、部屋を出る島田さん。


本当に、ごめんなさい。


ジッとしてるのは主義じゃないんだ。


「にゃ~」


「叶、ごめん。今は構ってやれないんだ」


そう言って叶を一撫でする。


そしてオデコに乗ってあった手ぬぐいを濡らして、そばに置いてあった包帯を使って左腕の怪我のところに巻きつけた。
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