新選組と最強子供剣士
家‥‥‥いや、店だ。


大量の‥‥‥武器が置いてある。


思わず中に入り、店を見渡す。


槍・弓・刀・銃


驚くべきはその種類。


僕の見たことのない形の刃物まで置いてある。


「あんら?珍しいお客ねぇ?」


呆気に取られ、気配に気づかなかった。


声のした方を見ると、派手な着物を着た美人が煙管を吸いながら立っていた。


艶やかな長い黒髪、赤い着物、赤い唇、黒と赤の下駄。


「坊や、よくここを見つけ出したねぇ。だが、
坊やには来るのがまだ早いよ」


フゥーと艶やかな唇から煙を吐く美人さん。


来るのが早い、ねぇ。


「お姉さん、ここって武器屋?」


「そうだよ」


「てことは‥‥‥売っているんだよね?」


目を細め、睨みつけるように言った。


そんな僕を見て、美人さんも目を細める。


「ただの坊やじゃないね。いったい何者だい?
場合によっちゃあ、売ってやってらんこともないよ?」


ニヤリと美人さんに笑う。


そんな僕を見て、美人さんは少し緊張したようだ。


「新選組の子供って知ってる?」


「ああ、知ってるよ」


「それが僕だよ。綺麗なお姉さん」


「そうか、坊やが‥‥‥‥」


わざと美人さんに威圧をかけるように、少しだけ殺気を放つ。


ここで追い出されるわけにはいかない。
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