新選組と最強子供剣士
ここがたぶん、噂の浪士達が血眼になって探していた鍛冶屋だ。


「新選組に報告するかい?」


「まっさか~。こんないい店、僕にとっちゃあつぶれたら大損害だ」


肩をくすめて、笑って言って見せた。


本当のことだから仕方がない。


密輸だろうとなんだろうと、興味はない。


大事なのは、僕にメリットがあるかどうか。


デメリットの方が多いなら、僕が潰す。


「てことでお姉さん、僕、ちょっと欲しいものがあるんだよね」


「?」


「薙刀と銃。そして、その銃の球。大きめの針なんかも欲しいんだ」


「坊やが?」


「そう、売ってくれる?」


正直、金銭面での心配はあるけど。


ま、稼ごうと思えばいくらでも稼げる自信はある。


「そうだねぇ。坊や、銭はあるのかい?」


「おっと、痛いとこつくね」


「やっぱりかい。それで、ものは相談なんだけど‥‥‥‥」


「何?」


「あたしはね、日本を越えて、いろんな武器を見てきたんだ。ここにあるのは、それを見て作ったもの」


「え?それって、ここの武器全部‥‥‥」


「あたしの作り物だよ」


ま、マジですか。


またまた驚いた。


これ全部、お姉さんが‥‥‥‥


「あたしはね、商売する人を選ぶようにしてるんだよ」


「例えば?」
< 358 / 416 >

この作品をシェア

pagetop