新選組と最強子供剣士
「お姉さんはどう思う?」


「偶然その薙刀を持った。なんてことは言わないだろ?」


それはそうだ。


他にもいい刀は沢山あるし、これよりも切れそうな見た目の刃もある。


ま、このお姉さんのことだから、斬れない奴にかぎって切れやすそうに見せてるんだろう。


「よりにもよって、薙刀で一番高いやつを選ぶなんてね」


「ええ~そうなの?わ~びっくり!」


「黙らっしゃい」


子供らしく驚いて見せたのに、ジロリと睨まれる。


なかなか怖いよ、うん。


「どうする?僕に売る?」


僕が聞くと、いつの間に持っていたのやら、お姉さんが木の板を投げてきた。


斬れってことかな?


子供の姿だし、これ振るのは骨が折れるんだけど。


「フンッ」


問答無用で真っ二つに斬った。


「ほぉ」


「不意打ちしないでよ。まったく」


「‥‥‥ちょっと待ってな」


僕の言葉は無視ですかい。


お姉さんがお店の奥に行ってしまう。


「いっ」


すると、薙刀を振るった反動に身体が悲鳴を上げた。


もうちょっと、耐えてくれ。


自分に言い聞かせ、痛みを意識しないようにする。


「坊や」


お姉さんに呼ばれ、振り向く。


すると、僕に向かって何かが投げれていた。
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