新選組と最強子供剣士
話すことは、新選組のことばかり。
いつもそうだ。
宴の席であっても、酔っていたとしても、芹沢さんはいつも新選組の話をする。
行動は目に余るものが多いのも事実だが、新選組を思っているはずだ。
なのに、なんで‥‥‥‥
いつも自分勝手な行動ばかりなんだ!?
そんなことなければ‥‥‥‥
なければ‥‥‥‥
「土方はん?」
「っ、ああ、すまない」
いつの間にか俺のところに酌をしに来た芸子。
美人に酒をついでもらっているにも関わらず、
当たり前だが酒は進まない。
飲んでも一杯だけだ。
これから、大仕事が待っている。
料理を食べながら、芹沢さんと近藤さんの方に少しだけ目線を向ける。
芹沢さんと目が合いそうになり、すぐに目線をそらした。
いつも通りにしてればいい。
芹沢さんを気にかける必要はない。
気にかけなくとも、いつも通りに八木邸に送っていくだけだ。
そこで‥‥‥‥
「なぁ土方はん?今日、うちと遊んでいってくれまへん?」
「すまねぇな。今日は駄目だ」
「それは残念どすなぁ」
少し落ち込んだ風に装う芸子。
そういえば、北凪も新選組に来る前は芸子だったな。
今日は上手くやってくれるといいんだが‥‥‥
信用はしているが、やはり不安はある。
剣壱の奴は重症を負っているにも関わらず、本人は大丈夫だと言っていた。