新選組と最強子供剣士

血飛沫が舞う。


血潮が壁に、床につく。


転がった死体を見つめ、少年は顔にかかった血をペロリと舐める。


斬った、殺した。


心が冷めていくのを感じる。


つい最近まで話していた、美しい人。


一瞬で、少年の手で永遠の眠りについた。


「梅ぇ!!」


ターゲットのあげた大声で、ゆっくりと死体から目をそちらに移す。


ターゲットの手前で、2人の男が自分を驚いたように見つめていた。


目を細め、2人に鋭い視線を突き刺す。


ただ、それだけだった。

アラワ
ターゲットが怒りを表情に露にし、2人の間を横切って刀を構えながらかかってくる。


少年は動かず、ジッとそれを見ていた。


ターゲットが刀を振り上げた瞬間、少年はそれを見た。


後ろに、2人の男を。


「ぐ、ぁあ、あ‥‥‥」


ターゲットの背中に、刀が斬りつけられた。

















背中に強烈な激痛が走る。


わしは‥‥‥死ぬのか‥‥‥


結局、何も守れない‥‥‥‥のか。


ご め ん な さ い


「!」





意識が途切れる中、

目の前の少年が流すはずのない涙を流し、

自分に謝った気がした。










そして、芹沢鴨は永遠の眠りについた。













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