新選組と最強子供剣士
未来と違ってコンロとかないし。


だから、いつもよりはちょっと微妙かなぁ。


まぁ初めてにしては上出来か。


周りの反応を見てみる。


そして思った。


「なんで皆変な顔して食べてるの?」


隣にいる藤堂さんに声をかけると、藤堂さんも首を傾げた。


というか、ものすごい勢いで食べてるから聞いていたのかも微妙だ。


隊士の皆さん、ご飯をしっかりと食べてくれています。


だけど、驚いてたり、眉を寄せたりしている人もいれば、なぜか半泣きになっている人までいる。


美味しくないはずはないんだけど‥‥‥‥


「剣壱、今日一緒に飯作って、新選組の飯がいつも美味しいと思うか?」


ふと、そう原田さんが話しかけてきた。


それに僕は即答した。


「ううん、思わない。昨日はおいしかったよ」


「ハハッ正直だな。だろ?特に朝は寝ぼけたりする奴もいるから、不味いんだ。だが、今日の飯は思いの外うまい。だからだ」


それを聞くと、僕は納得した。


毎回あの調子で料理してたら、そりゃあ美味しいご飯は作れない。


なんだ、美味しいと思ってくれてるのか。


良かった良かった。


「で、藤堂さん、何で僕のおかずとるの?」


「えっ!?い、いや~」


そろ~と何事もないように僕のお椀に箸を伸ばしてきた藤堂さん。


それを自分の箸で止めて僕は言った。


藤堂さんは目をそらす。


「自分の分食べ終わったからって人のものとらないでよ。それくらい僕でもわかるよ」


「う、ごめん」
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