新選組と最強子供剣士
そう叫びながら斬りかかってきた男。


この男は人を斬ったことがないのだろう。


子供であろうと同じ人間。


ためらいがあり、刀は遅い。


僕はそれをヒョイッと避けた。


それを見た男が顔を真っ赤にさせて、さらに斬りかかってくる。


もう、うざいな~


たいして強くないくせに意地はんなよ。


酔っ払いはさっさと家に帰って寝てろ。


「僕、避けるの飽きた。じゃあね!」


武器も何も持ってないので、僕は一目散に逃げ出した。


ふっ、逃げるが勝ちってね。


だって今、子供の姿だし?武器持ってないし?


だけど‥‥‥‥


「小僧、待てーーー!」


すごい顔で追いかけてくる。


ちょ、ちょっと怖いかなぁ。


しばらく追いかけっこをしていると、浅葱色の羽織りをした集団が‥‥‥


ど真ん中を歩きやがって‥‥‥じゃまだ!


僕はクゥちゃんを抱えたまま爆転し、その勢いでジャンプをして、浅葱色の羽織りをしたにいちゃんの頭をふんずけた。


そして、にいちゃんの頭を踏み台にし、勢いよくジャンプした僕はそのまま屋根の上に着地。


ふんっ、ここなら登ってこれまい。


「この、小僧、卑怯だぞ!」


知らないし、ざまぁみやがれ。


ニヤリと男に笑‥‥‥‥‥ゾクッ


うわ、なんだ‥‥‥‥殺気か?


殺気の原も見ると、さっき僕がふんずけたにいちゃん。


焦げ茶色の髪をポニーテールにしている。


髪とお揃いの焦げ茶色の切れ目が僕を鋭く睨んでらっしゃる。


‥‥‥‥‥‥‥こわっ!!!


「小僧、降りてこい」


聞こえてきた声は、驚くほどに低かった。


ヒクッと顔が引きつるのを感じる。


ヤバい人をふんずけたみたいだ。
< 6 / 416 >

この作品をシェア

pagetop