新選組と最強子供剣士
「原田さんは、僕が道場で稽古いてもいいって言ったよ?」


「え、俺!?」


原田さんにもなすりつけることにした。


よし、これで悪いのは斎藤さんだじゃなくなった。


「佐ノ助、どういうことだ?」


「いや、剣壱が稽古は怠りたくないって言うからさ。こんなに強いんだぜ?もったいねぇよ」


原田さんの言葉を聞いた土方さんは僕をちら見すると、大きな溜め息ついた。


「剣壱、後で俺の部屋にこい」


「え、あ、はい」


特に何も言わずに行ってしまった土方さん。


あの人、考えてること読みにくいんだよなぁ。


ま、僕も身体動かせたことだし、そろそろ道場出よう。


夕餉まだ作ってないし。


「原田さん、僕ご飯作ってくるね!」


「お、もうそんな時間か。夜には土方さんとこ行けよ」


「は~い!」


木刀を原田さんに返し、僕は道場を退室した。


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勝手場に着くと、井上さんが野菜を斬っているのが見える。


その手捌きは正にプロ。


井上さんって料理上手いから、今日は楽そう。


「井上さ~ん」


「やぁ、剣壱君。お手伝いしに来てくれたのかい?」


「うん!」


優しい笑顔を見せる井上さんは、優しい近所のおじさんった感じ。


剣を振ってる姿が想像しにくいな。


でも結構鍛えられてるし筋肉もあるな~


「これ煮詰めてくれる?」


「はい」


うん、本当にこの人が一緒だと楽だ。


そんなことを思いながら夕餉を作っていった。


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