新選組と最強子供剣士
僕、足音でどの位の年齢の者かとか分かるくらいの訓練させられてたし。
「えっと、勘というか雰囲気というか‥‥‥」
本当は見ず知らずの人に監視されるのが嫌だから人の目を盗んで調べてたからなんだけど。
「剣壱、起きたのか」
「あ、土方さん!」
ごにょごにょと僕が言葉を濁していると、土方さんが部屋に来た。
「山崎、どうだ?」
「出血はそれ程酷くありません。倒れたのは疲労による高熱が原因でしょう」
「そうか」
土方さんは僕のそばに来て座る。
それから山崎さんと井上さんに言った。
「源さん、山崎、少し外してくれ」
「副長、その子は‥‥‥」
「山崎、大丈夫だ」
「‥‥‥‥山崎君、行くよ」
「‥‥‥はい」
井上さんと土方さんにおされ、渋々といったように退室する監視さん。
井上さんもペコリと一礼して出て行った。
「さて土方さん、何か用ですか?」
「お前なぁ、秘密にしたいんならしっかりしろよ。何大声出してんだ」
「仕方ないさ。あの人目障りなんだから」
大きな溜め息を土方さんはついた。
それから顔を引き締めて僕を見直す。
その顔は真剣そのもの。
「剣壱、お前に頼みたいことがある」
「何?」
「今日会った芹沢のことを探って欲しい」
「あの人は新選組の者じゃないってこと?」
「いや、新選組の者だが‥‥‥」