よるにひとり
賞味期限を確認すると
カレーの材料を冷蔵庫にしまう。
今日はカレーだよ
なんて言ったら早く切り上げて帰ってくるだろうか
飲み会だ
家に来たとしても
お茶漬けぐらいしか食べないだろう
少し惜しくなって
冷蔵庫の戸をバタンと閉めた。
テレビを消して
意味もなくテーブルを見つめる。
しばらくして
ケータイを取り
メールの送信ボタンを押すと電源を切った。
少々いたずらめいた急な思いつきだった
どうするだろう
と考えてみる。
まるで毒入りの林檎を
相手が食べるのを待っているような気分だ
私の林檎は確かに甘い
確認するようにまた一口頬張る。