琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
リューイ様は拳を強く握り、ぷるぷるさせながら話を続けます。

「人の前でズボンを下ろされたり、贈り物と渡されるのは芋虫の詰め合わせ。皆の見ていないところで奴隷のように扱き使われ、口答えすれば女の武器を使い大人に嘘八百を並べて報告し、結果私が怒られる。泣いている私を、ほくそ笑みながら見下ろすような女だぞ?そんな女を好きになれると思うか?」

「ああ!!今思い出しても忌々しい記憶だ!!それを「好きだから」などといった理由で片付けられたくはない!周りの大人もそれを仲睦まじいなどとと言いやがって!私はどれだけ苦痛を味わった事か!」

・・・あらあら。
トラウマになっていらっしゃるのね・・・。
可哀相に・・・。

「嫌な事を思い出させてしまって申し訳ありませんでした、リューイ様。辛かったのですね」

「・・・わかってもらえればいい。そんな女なんだ、フィオナにも嫌がらせするのではないかと、そう思って、今まで会わせないようにしていた」

「私の事は心配しなくても大丈夫ですわ。そんなにひ弱な女ではありません。ここまで守っていただかなくてもいいのですよ?」

私は普通の伯爵令嬢とは違って、色々と経験してきましたからね。
あのカフェで働いていて、何もなかった訳ではないし。
ちょっとした事ではへこたれませんよ。

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