琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「クリネア、紹介しよう。彼女はフィオナ。グラフォート伯爵の娘だ。今私の世話係をしている」
「初めましてクリネア様。フィオナ・エリム・グラフォートと申します。以後お見知りおきを」
クリネア様は扇子を広げて口元を隠し、私をまじまじと見ています。
なんとなくですが、その扇子の下で薄ら笑いを浮かべているように思えました。
「ようやく会えましたわね、フィオナ様。私クリネア・リリアス・マーベラ、と申しますの。リューイとは小さい頃からの仲ですのよ。知っておりまして?」
「はい、存じております。仲が良かったとお聞きしておりましたが」
「仲なんて良くないぞ!!嘘を言うなフィオナ!!」
リューイ様は顔を歪めながら声を荒げましたが、クリネア様は動じず話を続けます。
「あら、そう。知っていらっしゃったのね。なら話は早いわ。では少し女だけでお話をしたいの。リューイ、どこかお部屋を貸してくれないかしら。フィオナ様と2人だけでお話をしたいわ」
「・・・駄目だ!フィオナに何かあっては困る!」
「何かって・・・、嫌ですわ。フィオナ様には何もいたしませんわよ。まるで私が何かしでかす様なその言い方、失礼ですわね」
「現に私に嫌がらせをしているだろう!?」
「ふふふふ、それはリューイだからですわ。フィオナ様とはお話をするだけ。約束いたしますわ」