琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
声は笑っているように聞こえましたが、どうやら表情は笑っていないようで。
目の端が少し吊り上がっているのを、私は見逃しませんでした。

それはリューイ様も気付いたようで、軽く舌打ちをすると、目線をエントランスの先の部屋の扉へと向けます。

「10分だけだ。10分だけ時間をやる。・・・いいか?フィオナには一切手を出すんじゃないぞ?フィオナに何かあったら、私は容赦なくお前を殺す」

「まあ・・、随分と怖い言葉ですこと。国王様が聞いたら泣いてしまいますわよ。・・・さあ、フィオナ様、行きましょうか」


パチン、と扇子を閉じて笑みを浮かべ、私をリューイ様が視線を向けた扉へと促します。
リューイ様は心配そうな表情でこちらを見ていました。

クリネア様の後ろを歩きその部屋に入ると、扉はゆっくりと閉じられました。






「・・・サイラス、大丈夫だろうか・・・」

「あのように仰っているのです。フィオナ様は同性ですし、多分心配ないでしょう。・・・しかし殿下、殺す、は言い過ぎではないですか?」

「むむ・・。しかしあそこまで言わないとフィオナが危ないではないか」

「それはそうですが・・・。また人前でズボン下ろされても知りませんよ・・・?」

「大丈夫だ、すでにその対策はしてある。実は中にスパッツを履いているんだ。近くでもズボンに見えるように描かれた珠玉の一品だ。その辺はぬかりはないのだよ」

「流石・・・リューイ様ですね・・・」





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