琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
外の掃除を終え、中でコップを並べたり、お皿を拭いているとカランと扉につけた鐘の音。
誰かお客様がいらっしゃったようです。
「いらっしゃいませー」
営業スマイルを作り入り口へと身体を向けると、そこには怖そうな男の人が。
切れ長の目の奥からギラリとしたブルーの瞳。灰色の髪。
重厚な鎧をつけて、この国の象徴である鷹の紋章が入った真っ赤なマントを背負っています。
そして腰には、精巧な彫刻が施された柄が印象的な剣。
城の騎士であることはそのマントですぐわかりました。
「お、お一人様ですか?」
「ああ」
「ではこちらへどうぞ・・・」
案内する手が震えてしまいます。