琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
"国王は冷酷である"
国民の間でそう噂されていた。
その噂は王太子であるリューイの耳にも少なからず入っていた。
母、そして子への愛のかけ方を知らない男。
だから国民にも愛を与える事が出来ないのだ、と思う。
小さい頃、母はよく部屋の片隅で泣いていたのを覚えている。
心配して声をかける私に、泣きながら毎回こう言っていた。
『貴方は、愛し愛され、笑顔を見せ合える人を見つけなさい。全てを捨ててでも一緒になりたいと思う人を娶りなさい』と。
母が泣いていても、寂しい思いをしても、それを何とも思わない男。
そんな男の血が半分自分には流れている。
その同じ琥珀色の瞳を見る度に、思い知らされる。
だからこそ、私は父上のような男にはなりたくない。
愛を与え、与えられる、そんな人間になりたいんだ。
「・・・まあよい。約束の時までに叶わぬ場合は約束通り、クリネアと結婚してもらうぞ。いいな」
「話はそれだけですか?」
「ああ、もうよい。下がれ」
リューイはそれから何も言わず、国王に一礼をすると部屋を出る。
重厚な扉を締め切った瞬間に、一つため息が零れた。
国民の間でそう噂されていた。
その噂は王太子であるリューイの耳にも少なからず入っていた。
母、そして子への愛のかけ方を知らない男。
だから国民にも愛を与える事が出来ないのだ、と思う。
小さい頃、母はよく部屋の片隅で泣いていたのを覚えている。
心配して声をかける私に、泣きながら毎回こう言っていた。
『貴方は、愛し愛され、笑顔を見せ合える人を見つけなさい。全てを捨ててでも一緒になりたいと思う人を娶りなさい』と。
母が泣いていても、寂しい思いをしても、それを何とも思わない男。
そんな男の血が半分自分には流れている。
その同じ琥珀色の瞳を見る度に、思い知らされる。
だからこそ、私は父上のような男にはなりたくない。
愛を与え、与えられる、そんな人間になりたいんだ。
「・・・まあよい。約束の時までに叶わぬ場合は約束通り、クリネアと結婚してもらうぞ。いいな」
「話はそれだけですか?」
「ああ、もうよい。下がれ」
リューイはそれから何も言わず、国王に一礼をすると部屋を出る。
重厚な扉を締め切った瞬間に、一つため息が零れた。