琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
夜会で消えたフィオナをサイラスが捜していた頃、丁度クリネアとの結婚話が本格的に進められようとしている時だった。
どうしてもクリネアとの結婚をしたくない私は、直接父にフィオナの事を話した。
初めての父への抵抗。
最初は聞く耳持たない父であったが、最終的にある提案を出してきた。
半年でフィオナが私を好きにならない場合は、潔く諦めクリネアと結婚する事、と。
私はそれを了承し、そしてフィオナをこの城に呼び寄せた。
そしてこの城にフィオナが来て一か月。
もう一か月が経とうとしている。
しかしフィオナの態度は相変わらずだ。
心ここにあらずで、私ではない何かをいつも見ている。
本当に、私をちゃんと見てくれるだろうか。
私を好きになってくれるだろうか。
不安ばかりがつきまとって、焦ってしまう。
心の中では焦ってはいけない、と思っているのに。