琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
リューイ様の紹介の後、私はドレスの裾を持ち深々と頭を下げました。

ランバート国と言えば、世界の国の中で1,2を争う程大きな国。
その国の王太子殿下様が目の前にいるのですから、自然と裾を持つ手が震えてしまいます。


「顔を上げて、フィオナ嬢。初めまして、私はアレン・イーシュ・ランバート。アレン、と呼んで貰って構わないよ」

その言葉にゆっくりと顔を上げると、優しく微笑むアレン様のお顔がありました。
ランバート国の王族の象徴である艶やかな黒髪が、ホールの明かりに照らされてさらに輝きます。
アレン様はその黒髪を胸元位まで伸ばしており、それを後ろで一つに結んでいました。

目鼻立ちの通った顔、すらりとした体格。手足も長い。
どうして、こう、王族の方ってこんなに美形揃いなんでしょうね。
ため息が出ちゃいそう。


「しかしリューイは早々に伴侶を決めたんだな。僕はなかなか見つからなくて焦っているよ」

「父に決められるのだけは避けたくてね。・・・まあまだ正式に決まったわけではないが」

「ほう?ではまだいい返事を貰っていない、というわけか?」

そう言うと、アレン様は私に視線を向けました。
バチッと目が合ってしまい、思わず顔をそむけてしまいます。

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