琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「ははっ、じゃあ詳しい話はダンスをしながらでも聞いてみるとするか。フィオナ、僕と踊ろうか」

アレン様は右手を差し伸べて、ニコリと笑います。

いきなりダンスだなんて、難易度が高すぎる!
夜会でダンスなんて踊った事もないのに、ましてや相手が隣国の王太子殿下様ですよ!?

助けを求めてリューイ様の顔を見ますが、・・・何も言ってくれない。
むしろ、行ってこいと言うような目の動き。


ああ、私、最大のピンチ。
逃げる事すら出来ないこの状況。

「私、全く踊れません・・・。それでも踊りますか?」

涙目で最後の抵抗です。
しかしアレン様は表情を崩す事無く、こう答えました。

「構わないよ。僕がリードするから君は身を預けてくれればいい」

差し出された手は下がる事はなく、逃げる事が出来ない私は、仕方なくその手の上に自分の手を乗せました。
アレン様は私の手をグッと握り引き寄せると、ダンスフロアーへと誘います。

フロアーへと出ると、参加客からはわぁ、と声が響き視線が注がれました。
そして、曲に合わせてゆっくりと動かされるのでした。


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