琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「気になる?リューイの事」

そう耳元で囁かれ、はっとして目線をアレン様に戻しました。
気付かれるほどリューイ様を凝視してしまったのかしら?

「き、気になるっていうか、たまたま・・・」

「君の事はリューイから手紙を貰っていて知っているんだ。君が彼を好きになるまで待っていてくれているんだろう?まだ答えは出ないの?」

「そうだったのですか・・・。まだ、自分の気持ちがわからなくて」

「まあ色々とあるよね。いきなりこんな所に連れて来られて、今までの生活からガラッと変わっただけでも対応するのがやっとなのに、リューイの事まで考えろって言われてもなかなか難しいよ。ましてやリューイと結婚するって事は、この国の王妃になる事、この国を背負う人間になる覚悟も必要だ。それを1か月そこらで結論を出すのはなかなか出来る事じゃないよね」

心で思っていた事をズバッと言い当てられてしまい、驚いて目を見開きアレン様を見つめます。

「そ・・・その通りです。凄い・・・。まるで心の中を見透かされたみたい」

「貴族でも庶民に近い生活をしていたら、誰だってそう思うさ。生活が全く違うしね。ましてや君は結婚する気が全くなかったんだろう?でなきゃ夜会で飯だけ食って帰ったりしないもの」

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