琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「・・・え?」


驚いた表情を浮かべながら、リューイ様は私の顔を見上げていました。



・・・ええ。自分でも驚いていますよ。

嫌じゃなかったって。何言ってんでしょうね、私。


「あ、いや、あの、思ったよりショックじゃなかったって事です。なぜなのかそれは私も分かりませんが・・・。でも、勘違いしないでくださいね、怖かったし、本当はこんな形でファーストキスを奪われたくはなかったんですから。それ自体には納得いきませんけど」


「それは本当に申し訳なかった。・・・嫌いになってないか?」

リューイ様は不安そうな表情を浮かべて、私を見つめていました。

「気持ちは現状維持です。良くも悪くもなってません。ご安心ください」

笑顔でそう話すと、リューイ様は床から身体を起こし、ゆっくりと立ち上がりました。


「そ、そうか。現状維持・・・か。良かったのか悪かったのか・・・」

私も立ち上がると、乱れた髪を手で軽く直します。
髪はガッチリと固められてはいましたが、付けていた飾りが取れそうになっていました。
それを手探りで戻します。



「それよりも、いきなりあんな形でパーティーを抜け出して大丈夫ですか?何か言い訳を作らないと」

「・・・う、うむ。そうだな」

「どうしますか、私がいきなり尿意を催したとでも言っておきますか?」

「ぶっ・・!なんだその言い訳は」

「では他にいい言い訳はありますか?」


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