琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます！
消えた貧乏伯爵令嬢の兄が見つかる。
あれからお茶会は定期的に行われるようになり、今日もまた爽やかな日差しの中、そのお茶会は開かれていた。

丁度フィオナが席を立っていない時だった。
チラリとリューイの顔を見ながら、クリネアは口を開く。


「リューイ、聞いたわよ。あんた暴走したんですって？」


その言葉に、リューイは飲んでいた紅茶を勢いよく噴き出しむせる。
噴き出した紅茶は綺麗に弧を描き、一瞬だが虹が見えた。

「な・・・なんでその事を・・・ごほっ！」

噴き出した紅茶がかからないように身体を横に傾け、そして軽蔑した瞳でリューイを睨んだ。

「随分とまあ噴き出したこと。私の情報網をなめないでいだたきたいわね。・・・しかし、本当に何やってるの？アンタ。やっていいことと悪い事も区別できないの？それで結婚出来なかったらどうするのよ。アンタ達が上手く行かなきゃ最悪な事態になるのよ！？」

「それはその・・・うん。何を言われても仕方ないと思っている。今回は私がすべて悪い。嫌われても仕方ないと思っていたが、フィオナは優しい言葉を掛けてくれた。・・・本当に素晴らしい女性だと思う」

「本当の所はどう思っているでしょうねぇ。隣の部屋に狼がいるなんて気が気じゃないと思うわ、実際。ああ、フィオナがかわいそう、こんなどスケベに好かれているなんて。先が思いやられるわ」

「どスケベ言うな。本当に反省しているんだ、今回の事は」

「とにかくね、正式に婚約するまでは紳士でいて頂戴な。こんな事で計画がおじゃんになったら、アンタの事刺してやるからね」

「・・・はい」

口をハンカチで拭きながら、リューイはうなだれた。




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