琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
そんなやり取りをしていると、リアが小走りでリューイ様のもとへやってきます。


「王太子殿下、サイラス様がお戻りになられました」

その言葉にリューイ様は、がばっと顔を上げ真剣な表情に変えると、リアの方へ顔を向けました。


「ようやく戻ってきたのか。今どこにいる?」

「エントランスにおります」

「そうか。ではこちらに来るように伝えてくれ」

「かしこまりました」

そしてまた、リアは小走りで城へと戻っていきました。


サイラス様が城に戻られたという事は、お兄様の消息がつかめたということなのでしょう。
一気に私の心もざわつき始めました。


「長かったわね。随分とてこずっていたのかしら?」

そう言いながらも何事もなく戻ってきた事に安心したのでしょう、クリネア様は少しホッとしたような表情を浮かべていました。

「だろうな。駆け落ちしてから大分経っていたし、風貌もかなり変化していただろう。ましてや手掛かりがほとんどないからな」


城へと目線をやると鎧を纏ったサイラス様が、私達の座る場所へと向かって歩いて来られました。


「ああ、久しぶりのサイラス様だわ!!今日お茶会を開いて正解だった!」

そう言うクリネア様の瞳は、うるうるとして今にも泣きそうな顔をしています。


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