琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
あの夜会にはサイラスも護衛として紛れ込んでいた。

ハッキリとは逃げた令嬢の顔を見てはいなかったが、なんとなくあの時の立ち姿とカフェの店員の立ち姿が被ってしまう。

しかし、貴族とあろう者が一般庶民の店で働くという事はまずありえない。
ただの思い過ごしだろうか・・・。


サイラスの言葉にリューイは何か考え込むような表情をする。
そしてサイラスに告げる。

「気になるな。もう少し調べてくれ」

「・・・かしこまりました」

サイラスは深く一礼をすると、部屋から出て行った。



1人になると、リューイは部屋の窓から外を眺めた。
そこからは城下町をはじめ、遠くの山々まで見渡す事が出来る。

「この国のどこかに、あの令嬢が・・・」

リューイはポツリと呟いた。



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