琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
説得するべく一行は兄の元へと向かう。
次の日、太陽が上がりきらない内にランバートへと向かうべく、私達は馬車へと乗り込みました。

ここからランバートまでは8時間かかるとの事。

長く馬車に揺られるのは辛いのですが、お兄様はもっと辛い思いをしている。
そう思えば、馬車での長旅などどうって事はありません。


確かにお兄様は昔から自由奔放な所があって、迷惑をかけられたり大変な事もあったけれど、でも、私にとってはたった一人のお兄様。


最悪もう結婚出来なくとも、またいつもの貧乏な生活に戻ろうとも。
家族が笑って暮らせるのなら、それでいい。・・・そう思うのです。



「フィオナ、身体痛くないか?少し休憩をしようか?」

道中、リューイ様はちょこちょこと私を気にかけてくれ、優しい言葉を掛けてくれました。
そのたびに、申し訳ない気持ちになり、心がギュッと締め付けられます。

「いえ、私は大丈夫です。なるべく早くランバートへ着きたいので、構わずお願いします」

「そうか。辛くなったら気にせず言ってくれ」


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