琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます！

逃げたあの令嬢。

リューイは以前からあの逃げた令嬢が気になっていた。



料理のスペースから絶対に離れない。
私どころか他の男にも目もくれないのだ。

周りの令嬢は私に気に入られようと、一生懸命にアピールしてくる。
けれど彼女は私の近くに来ようともしない。

それは他の男に対してもだ。
一切話しかけようともしない。

それどころか彼女からは話しかけるな、というオーラが出ていて、それを感じてなのか誰も話しかけようとはしなかった。

それは私にとってはありがたい事だったけれど。


彼女は幸せそうな笑顔を浮かべながら料理を食べ、そして知らない間にいなくなっている。
料理は殆ど食べつくされて。
彼女は消える。

あの細い身体のどこにそんなに入るスペースがあるのか、と不思議に思うこともあるが。