琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!

部屋に入ると、テーブルいっぱいに豪華な食事が置いてあり、私はその中のパンを一口頬張ります。
いつもは目の前の食事に飢えた獣のように喰らい付く私ですが、今日ばかりはあまり食が進みませんでした。


「お兄様は、ちゃんと食べているのかしら・・・」


この肌寒い夜に、お兄様はどこで寒さを凌いでいるのか。
病気などしていないだろうか。

考えただけで、胸が苦しくなります。



「早く明日になってほしい・・・・」

窓から外を見ると、真っ暗な闇夜にぽっかりと綺麗な月が浮かんでいました。

お兄様も、この月を見ているのでしょうか。
何を思いながら、毎日過ごしているのでしょう。


もちろん寝られるはずなどなく、私は窓から見える月が徐々に落ち行くのを眺めながら、夜を明かしたのでした。





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