琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
城へと戻ったのは、とっくに日も暮れた夜。

城には呼び戻された両親が兄の帰りを今か今かと待っていて、兄の顔を見るなり声を上げて泣きながら、兄に抱きつきました。

両親からの叱責を覚悟していた兄でしたが、予想外の両親の出迎えに心打たれ、兄もまた声を上げて泣きながら、抱きつく両親の身体を抱きしめ返しました。

その光景を見ながら、私はようやく私の家族が元通りになったのだと、その時改めて確信したのでした。



「良かったな、フィオナ」

「ええ・・!リューイ様のお陰です。本当にありがとうございます!もう、なんて言ったらいいか・・・」

「今日は家族揃って過ごすといい。明日の昼、迎えにいく。それまで家族とゆっくり話すといい」

「リューイ様・・・!」

「本当は離れたくはないが、これからはずっと一緒だからな。気にせず行っておいで」


リューイ様のお言葉に甘え、その日は私達の屋敷で家族水入らず過ごしました。
この5年の事を皆で話して、聞いて、泣いて、笑って。

こうやって家族で団欒をするのも、もうないのかもしれない。
そう思うと、少し切なくなるのだけれど。

でも、家族が揃った喜びは何にも代えがたいもの。
私がリューイ様に見初められなければ、お兄様は戻ってくることはなかった。

リューイ様がいたから、今の家族はここにいる。


全てはリューイ様のお陰。
そして・・・。



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