琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「サイラス様って・・・、案外鈍いんですね」

「異性の事はめっぽう・・・。殿下の事でそれどころではありませんでしたから」

ははぁ・・・、癌はリューイ様でしたか。
小さい頃からあんなに思っているのに、全く伝わっていないなんて悲しすぎるわ。

帰ったら、リューイ様から少し開放してあげないとダメかもしれないわ。


「そうでしたか・・・。では、もう少し周りに目を向けて見てください。きっと分かるはずですよ」

「周りに、目を向ける?」

「ええ。すぐわかると思います。そして、真剣に考えてあげてくださいね。その方は昔から貴方のことを・・・」

「昔から・・・?」

「これ以上はもう言いません。あとはサイラス様自身で」

そう、これ以上は私の出る幕ではないわ。
あとはサイラス様が気付いてくれればいいだけの事。

上手くいくといいな。
ずっと抱えてきた想いを受け止めて欲しい。

考え込むサイラス様を横目で見ながら、流れ行く町並みを眺めていました。


早く、リューイ様に会いたい。
・・・お城まで、もう少し。




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