琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「お疲れ様でした。お嬢様」
「お待たせ、グリム。さ、帰りましょう」
グリムは私が馬車に乗り込んだのを確認すると、ゆっくりと動き出しました。
ボロボロの馬車なので乗り心地はあまり良くはありません。
ですが一日立ち仕事で疲れ果てた私には、硬い椅子もがたがたと揺れる振動も心地いいもので、ついつい寝てしまいそうになります。
ここで寝てしまったらダメ。
帰ったら湯浴みをして・・・。
やる事があるのに・・・。
そう思うのですが、ああ、瞼が、重い。
意識が・・・うすれ・・・る・・・。