琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!


「おはようございます、お父様、お母様」

食堂に行くと、父と母は既に席に座っておりました。

「あら・・・おはよう、フィオナ」

お母様は相変わらず生気の抜けたような表情をしています。

兄を溺愛していたお母様。
駆け落ちしてこの屋敷からいなくなってから、ずっとこんな調子です。

「ああ、おはよう、フィオナ。仕事の時間を増やしたって聞いたが・・・。本当に申し訳ない。こんな私達の為にお前がっ・・・こんな苦労をっ・・・ぐすっ」

お父様も同じようなもので、ちょっとしたことでもすぐ泣いてしまいます。
朝っぱらから辛気臭いったら。

「いいのです。私が好きでやっている事ですから気にしないで。さあ、頂きましょう。スープが冷めちゃうわ」

「本当に・・・ほんとうに・・・」

「お父様。朝から泣いていたら、こちらまで気が落ちてしまうわ」

「・・・すまん・・っ・・ぐっ」
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