琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「も・・・申し訳ありません、王太子殿下様・・・。私には王妃になれる様な女ではございません。殿下様にそう言っていただけるのはありがたいのですが・・・」

「・・・私の求婚を断ると言うのか?」

「あの・・・王太子殿下様がどういう方なのかもよく存じ上げませんし・・・。なぜ、私なのか・・・。夜会でただ食事を摂るだけの卑しい人間でしたのに。どこに惹かれる要素があるのか分かりません」


はっきりと言ってしまった。

でも、実際そうなのだし・・・。
あいまいにして結婚することになったらそれこそ大変だもの。


王太子殿下様は私の言葉を聞くと、立ち上がり手を離すと、ひとつため息をつきました。


「そうか。私の求婚を断る、と言うのだね」

穏やかだった表情が一変し、厳しい表情になりました。
その顔に私は足が竦んでしまいます。

「・・・いいだろう。君がそう言うのならば、私にも考えはある」

「は・・・?」

「今日のところはもういい。下がれ」

「え?あ・・あの・・・」



「下がれ」

なんという威圧・・・。
恐ろしくなって、一礼をすると慌てて部屋を出ます。

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