琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
一週間後。
それは食事を終え、部屋でくつろいでいる時でした。
バタバタと走るような音が聞こえ、私の部屋の前で止まると勢い良く扉を叩く音。
「おっ・・、お嬢様っ!!!!」
扉の向こうからグリムが慌てたような声で呼んでいます。
「どうしたの?グリム」
「あっ、あのっ!大変です!おうっおおっ!!」
「え?ちょっと落ち着いて。一体どうしたと言うの?」
「お・・・王太子殿下がお付きの方々と一緒に、い・・いらっしゃってます!お話があると言って・・」
王太子殿下様がまさか、こんな夜にこの屋敷に!?
一体何の用で!?
私は愕然として身体が固まってしまいます。
「お嬢様、早く準備なさって下さい!旦那様もお待ちになられてますからっ!」
急いでましなドレスを着て髪を簡単に纏め上げると、王太子殿下様が待つ部屋へと向かいました。
それにしてもこんな夜に、王太子殿下様が城を出て私の家に来るなんて、余程断られた事が気に入らないのでしょうか?
何か罰でもあるのでしょうか?・・・ああ、考えただけでも恐ろしい。
家族にまでその罰が及ばなければいい、と思いながら向かいます。
両親には何の罪もないのだから。