琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「大変遅くなりました。王太子殿下様、お父様」


部屋には王太子殿下様とサイラス様、そしてお父様が椅子に座って私が来るのを待っていました。

「遅かったじゃないか!フィオナ。王太子殿下待たせるなんて、失礼もいいところだっ!」

「もっ・・申し訳ございませんっ!」

「私達がいきなり来たのが悪いのです。気になさらないで下さい、グラフォート殿」



そう話す王太子殿下様の表情は穏やかでした。その表情に少し安心する私。
お父様に促され、お父様の隣に座ります。


「・・・さて、今日こちらに伺ったのは、グラフォート殿にお願いが一つありまして」

「お願い・・・ですか?」


「ええ。実はクリアム周辺の領地の管理をグラフォート殿に、期間限定ではありますが任せたいのです。今まではオルルド伯爵が管理していましたが、病で臥され療養中の為他に任せたいとの話がありまして」

「わ・・・私がですか?」

「はい。クリアム周辺は少し田舎ですが、自然も多く治安もいい。グラフォート夫人も少しは癒されるのではないかと思いましてね」

「私の家の事情をご存知で・・・」


「調べましたよ。大変でしたね。あなたの息子がした行為は許される事ではないですが、そうしてまで貫きたい愛だったのでしょう。彼の気持ちもわかります」

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