琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます！

お父様は拳をぐっと握り締めながら、俯いていました。


お父様も苦しかったのでしょう。
この貧乏な生活から抜け出したいと。

でもどうすることも出来ず、ずっと悩んでいた。


クリアムか・・・。

農業が盛んで、新鮮な野菜が豊富にあると聞いているわ。

実沢山のスープや焼きたてのパン、色々食べられそう。
天気のいい日は森で森林浴。昼には野菜たっぷりのサンドウィッチ。


夢が膨らむ。

・・・ここに住むよりもいい生活が出来そう。


ぼんやりとそんな事を考えている私をよそに、王太子殿下様は更に話を続けました。


「そして、グラフォート殿がクリアムに行っている間、フィオナ嬢には城で私専属の世話係をして頂きたいと思っております」

その言葉に私は現実に戻され、そして目が点になります。



・・・は！？
私が王太子殿下様の世話係・・・！？