琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
エントランスに行くと、そこには迎えに来たサイラス様と、お父様とお母様がいました。

「フィオナ、殿下に失礼のないようにな」

「元気でやるのよ、フィオナ。こちらもあちらに着いて落ち着いたら手紙を書くわ」

「はい、お父様、お母様。お父様達も、気をつけて」

「・・・ああ」

家族での会話が終わると、サイラス様は私の持つ荷物を取り、そして外で待つ馬車へと案内をしました。



外はあいにくの曇り空。

まるで自分の気持ちを表しているようだわ・・・。



私とサイラス様を乗せて、馬車はゆっくりと動き出し城へと向かいます。
窓の外を眺めながら、私はため息しか出ませんでした。

このまま、どこか知らない所に行けたらいいのに。

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