琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
貧乏伯爵令嬢は王太子殿下の想いに戸惑う。
「ようこそ、我が城へ」

城のエントランスに入ると、そこには王太子殿下様の姿がありました。

屈託のない笑顔。
琥珀色の瞳がキラキラと輝いています。


そんなに嬉しいのですか、私が来るのが。
私はあなたのせいで、サイラス様への想いを諦めなければいけないというのに・・・。


「出迎えありがとうございます、王太子殿下様。これからよろしくお願いします」

「リューイでいいと言った筈だ。さあ、君の部屋まで案内しよう。付いて来て」

「かしこまりました。・・・リューイ様」


王太子殿下様改めリューイ様に案内されたのは、正面の階段を上り2階の一際目立つ、大きくて精巧な彫刻が施された扉の部屋。

・・・の隣でした。


「隣は、私の部屋だよ」

「は・・・?」

「君は私の世話係だからね、常に近くにいてもらわないと。ちなみに部屋の中にも行き来出来る扉があるから、普段はそこから出入りするように。自由に出入りして貰って構わない」


ん?部屋の中にも扉?
と言うことは・・・。


「プ・・・プライベートがないじゃないですか!」
「くくっ、安心しろ。私からフィオナの部屋に行くことはない。・・・今の所はね」

怪しげな笑みを浮かべるリューイ様に、恐怖で少し身体が強張ってしまいます。

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