琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「前から気になっていたんだ。ダンスも踊らず、人に声を掛ける事もなく、ひたすら料理を貪り食って帰っていただろう?」


・・・気付かれてる・・・。
うわー・・・どうしよう。


「あ、はは・・・。料理がとても美味しいもので・・・」

「そう。料理長に伝えておこう。喜ぶよ」

「はぁ・・・」

・・・なんでこの人私に話しはなしかけてんの?
うわ、周りがざわついてる。視線が痛い!
やめて、目立ったら来にくくなるでしょうが!

「・・・名は?」

「え・・・?」

「君の名は?」

ええええ?
名前!?

ダメ駄目だめ!覚えられたらややこしいことになる!!

私は料理を食べに来てるだけなの!!王太子殿下に名乗る程の人間ではございません!!!!

「あ・・あの・・・」

「ん?」

「ごめんなさーーーーーーい!!!!!」

隙をついて皿とフォークを握ったまま、私はダッシュで出口へと駆け出しました。

「ちょ・・!」

逃げないと!知られてはいけない!

そう思い、無我夢中で逃げます。
後ろでは騒がしくなっていました。が、気にしてなんかいられない!!

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