琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「大丈夫ですか!?お医者様を!」
「だ・・・大丈夫。呼ぶ程ではない。フィオナこそ大丈夫なのか?」

「少し痛みはありますが、問題ありません。申し訳ございません・・・勢いよく起きてしまったばかりに・・・」


まさかあんな近くにリューイ様の顔があるなんて、思わなかったものだから・・・。
来て早々、とんだ失態。

少し落ち込んでしまいます。

「・・・うん、大分痛みも引いた。もう大丈夫だ。自分からこの部屋には入らないと言っておいて、早速入ってしまって申し訳ない。呼んでも返事が無かったものだから」

「いえ!私の方こそご迷惑をお掛けして申し訳ございません!」

「いや、ただ寝ていただけで安心した。・・・ん?その手に持っているものは何だ?」

持っていたのはサイラス様から貰ったハンカチでした。
いきなり聞かれて少し慌ててしまいます。


「あ、こっ、これはただのハンカチですわ!手に持ったまま寝てしまったみたい・・・」

「・・・そうか。手に持ったまま寝るなんて、余程疲れていたんだな。さて、そろそろ夕食の時間だ。用意してくれるか?私は自分の部屋で待っているから」

「はい!早急に準備致します!」

リューイ様は私に笑みを見せると、部屋を出て行かれました。

・・・・良かった。怪しまれてないみたい。
ほっと胸を撫で下ろしました。

ハンカチをバッグにしまうと私は急いでタンスを開け、ドレスに着替えます。

ドレスは落ち着いた紺色の、飾りのあまり無いシンプルなデザイン。
裾もあまり長くなく、引っ掛けて転ぶ事もなさそう。

コルセットを締め付けなくても着る事ができ、とても動き易いように作られていました。
そのドレスを着ると、寝乱れた髪を整え軽く化粧を直して準備万端です。



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