琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
とはいえ、ずかずかと歩く訳にも行かず、私は恐る恐る足を踏み入れます。
靴越しでも分かるふわりとした優しい感触。

ああ、やっぱり高価な絨毯だわ・・・。
汚さないように気をつけないと・・・。


「・・・そんな忍び足で来なくても」

「そう言われましても・・・」


今まで抜けそうな板の上で生活してきた身としては、別な意味でこの感触は直ぐに慣れる訳もなく。
普通に歩けるようになるまで、少し時間が掛かりそうです。



「よし、では行こうか」

見ていた書類を机に置いて、リューイ様は食堂まで案内してくれました。



< 76 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop