琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
ふう、とひと息ついた所で私の前には食後のティーが差し出されました。
一口飲むと口の中がふわりと爽やかになり、気持ちが安らぎます。

「そう、公務中は私と共に行動する事は出来ない。その間はサイラスが近くにいるから、何かあったら遠慮なく話してくれ」

「サイラス様がですか?」

「そうだ。サイラスでは不満か?」

「いっ、いいえ!不満な事は何も!!むしろ・・・」

と言いかけたところで、はっと気付き思わず口を手で塞ぎます。

・・・危ない。
「嬉しい」なんてリューイ様に言ってしまう所だった。

密かに想いを寄せているなんて知れたら、サイラス様に迷惑が掛かってしまう。
私はどうなっても構わないけど、サイラス様に何かあったら大変だわ。

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