恋して 愛して 乱して
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つい一ヶ月前、俺は職場である△△病院の院長に呼び出され、ある書類を見せられた。
「…杉村先生、あなたはとても素晴らしい医者だ」
「ありがとうございます」
褒められに来たのか、俺
書類を見るとズラリと並んだ名前と役職。上には◯◯大学附属病院と書かれていた。
「…この病院には、これからある患者が来るらしい」
「ある患者…」
「そうだ、…だがここの病院にはその患者を治す程の医者がいない」
「ではうちに…」
「できないんだ」
は?と言いたくなった
うちの病院には優秀な医者なんてわんさかいるはず。俺も別に自分の腕に自信がないわけじゃない。なんなら治してやりたい。でもどうしてこの病院だけに?
「……◯◯大学附属病院にしかない特殊装置が一番安全なオペの進行ができるからだ」
「うちに、それを送れば」
「私は君を送ることにした」
「は、はい?」
そして俺は院長の指令を受け、◯◯大学附属病院に来たって訳で。
ここの院長さんは、
「よく来たねぇ、話は聞いているよ」
と、俺の評判のを長々と語り出した。俺はただ頭を何度も下げるだけ。そして最後に渡された書類には△△病院の院長も持っていたものと同様、名前と役職の書いてある書類を手渡され、面会は終わった。
院長室を出てすぐの階段で俺はパラパラと書類をめくる。
結構人、いるんだな
ドクターも、かなりの数…
病院がでかいからか?
ナースの数がハンパじゃないな…
覚えられる気がしない
知り合いがいるかどうか見ていると、ある部署で目が止まった。
「…っ」
心臓が止まりそうになった。